経営者の方からこんな相談が来たことがあります。「kintoneを入れてもらったが、誰も使っていない。ベンダーに連絡しても、もう返事が来ない」と。kintone(サイボウズ社が提供するクラウド型業務アプリ構築ツール)の導入は、名古屋の中小企業でも広がっています。ただ、うまく使えずに立ち往生しているケースもあります。この記事では、他社で導入したkintoneがうまく定着しなかった会社から、実際にどんな相談を受けてきたのか、そして立て直しをどう進めているのかをお伝えします。
「失敗した」という相談に共通するパターン
他社でkintone導入に関わったあと相談に来られる方の話には、状況は違っても、よく似た困りごとが出てきます。
よくある3つのケース
1つ目は、納品されたあと、頼んだ会社と連絡が取れなくなるケースです。手元にシステムはあるのに、使い方を聞きたくても答えてくれる相手がいない。頼る先がなく、現場は困ったまま使い続けるしかありません。
2つ目は、連絡はつくのに、肝心のシステムを直してもらえないケースです。営業とは話せても、「確認します」「担当に伝えます」で止まり、変えたいところがいつまでも変わらない。動いてはいるものの、使いにくさはそのまま残ります。
3つ目は、納品されたもの自体が、現場のやり方と噛み合っていないケースです。ヒアリングはされたはずなのに、現場が納得して使える形になっていない。これはkintoneそのものの問題ではなく、誰がいつどう使うのかという前提を、導入前に十分に詰めきれなかったことが原因です。
システムではなく、運用の考え方が問題だった
たいていは、kintone自体に問題があるわけではありません。kintoneは10年以上の実績があるクラウドシステムで、中小企業の業務管理には広く使われています。問題の多くは、システムを導入することが目的になっていたことです。
だれがいつどう使うのか、今の業務は最適なのか、システム導入によりどのような価値を生み出すのか。こうした点を詰めないまま導入してしまうと、使われないシステムだけが残ります。
私たちがkintone導入で「運用できることがゴール」と言い続けているのは、こうした失敗のパターンを何度も目にしてきたからです。
立て直しをどう進めるか
再導入の相談が来たとき、すぐに「やり直しましょう」とは言いません。まず、現状がどうなっているかを確認するところから始めます。
最初に現状分析から始める理由
今の状態を正しく把握するには、一定の時間をかけて状況を確認する必要があります。短時間では、調べられる範囲が限られ、何が起きているかを正確にはつかめません。だからこの現状分析は有償で行い、今どうなっているのか、このまま進むとどうなるのかを、事実としてしっかり把握します。
わかったことは、包み隠さずお客様にお渡しします。調査結果は、他のベンダーへ相談するときの資料として使っていただいても構いません。無理にウィルビジョンへ頼む必要はなく、事実をふまえて、お客様自身に判断してほしいからです。だからこそ、その判断のもとになる最初の調べに、私たちは手を抜きません。
「維持するか・作り変えるか」を事実ベースで提示する
現状分析が終わると、選択肢を整理します。今のシステムを直して維持するか、根本から作り直すか。どちらが現実的かを、事実をもとに判断します。
必要なことは、耳の痛い内容でも率直にお伝えします。言わないことは、お客様のためになりません。立て直しの場面では特に、「このまま使い続けても現場には定着しない」と正直にお伝えすることも、誠実な対応だと考えています。そうやって、伝えるべきことを伝え、運用が回るまで伴走してきたことで、信頼を築いてきた企業がたくさんあります。
・導入構築 120社以上(名古屋を中心に)
・顧客継続率 90%以上
・kintoneパートナー歴 10年以上
・CyPN Report(サイボウズ公式 パートナー評価制度) インテグレーション部門 5年連続星獲得
立て直しの結果を分けるのは、最初に何を問うか
「失敗した」と感じている会社のほとんどは、システムを入れること自体が目的になっていました。立て直すときも、また「何を入れるか」から考え始めると、同じ失敗を繰り返します。
まず聞くのは「何をつくりたいか」ではなく「なぜそれが必要なのか」です。この問いに向き合えるようになってから、はじめて立て直しの手順が見えてきます。
ただ、この問いを最初から整理できている会社は多くありません。そもそも、何が必要かは業務やお客様の状況が変われば変わっていきます。だから私たちは、最初にその問いを一緒に整理し、システムが動き出したあとも、状況が変わるたびに問い直していきます。他社での失敗は、その問いに気づくきっかけです。次に迷ったときも、一緒に考えながら進めていきます。
よくある質問
Q. 他社で作ってもらったkintoneのシステムを、引き継いでもらえますか。
A. 対応しています。最初に有償で現状分析を行い、今のシステムの状態を事実ベースで整理します。その上で、直して維持するか作り直すかをご一緒に判断します。どこに原因があったかを探すより、今どうなっているかを正しくつかみ、次の手立てを考えることに集中します。
Q. 現状分析にはどれくらいの費用と期間がかかりますか。
A. 費用・期間はシステムの規模や業務の複雑さによって異なりますので、まずは無料相談で状況をお聞かせください。規模感を確認した上で、具体的な費用と期間をご提示します。相談だけで終わっても構いません。
Q. kintone導入がうまくいかなかった原因が、自分たちにあるのか外部にあるのかわかりません。どう判断すればいいですか。
A. 現状分析の中で、何が原因だったかを一緒に整理します。多くの場合、どちらか一方だけが原因というわけではなく、運用の手順が整っていなかった・現場の使い方の前提がズレていたなど、複合的な要因があります。
Q. 必ず作り直しになりますか。今あるシステムは活かせないのでしょうか。
A. 必ずしも作り直しにはなりません。現状分析で、今のシステムを直して維持する道と、作り直す道を事実で並べます。使えるデータや仕組みはできるだけ活かす前提で考えるため、状況によっては大きく作り替えずに立て直せることもあります。
