みなさん、こんにちは!
今回は、4月28日(火)にZepp名古屋で行われたkintone hive nagoyaの参加レポートをお届けします。
kintone hiveとは
kintone hiveとは、「kintoneの活用アイデアをユーザー同士で共有するライブイベント」です。
日頃から業務でkintoneを使いこなしているユーザーが集まり、それぞれの視点で業務改善につながるkintone活用ノウハウを披露・共有します。

kintone ユーザー事例
今年の名古屋会場にも、多様な業種から素晴らしい事例が集まりました。
各社が直面した課題に対し、現場の声を拾い上げてシステムを定着させていくプロセスなど、非常に勉強になる内容ばかりでした。
それでは、登壇者のみなさんの発表を振り返っていきます!
株式会社興和工業所 半田東工場 戸田さん・西段さん
トップバッターは、株式会社興和工業所 半田東工場 戸田さん・西段さんです。興和工業所さんは今年で3組目の登壇です!
タイトルは【ひとりの仕事をみんなが見える仕事に】
kintoneの導入前は、紙・Excel・FAX・メールでのやり取りが多く、手書き作業が中心の現場だったそうです。さらに、会議資料の作成は情報共有で使っているホワイトボードから、データを確認しながら行っており、非常に負担になっていました。

運送会社との情報のやり取りや会議資料の作成など、非常に手間がかかっている業務に課題を感じていたところ、「メールを送信し忘れてトラックが来ない」という事件が発生し、システム化を決意したそうです。
まず、運送会社に配車依頼のデータを共有できるように配車アプリを作成。運送会社も「メール・電話・FAXで依頼が来るためアプリにまとめられるなら」と快諾し使用を開始しました。しかし、アプリを使い始めると運送会社から要望が続々来るようになり、真摯に対応した結果、現場も使いやすいアプリになり、現在では10工場で利用されるまでに!
さらに、ホワイトボードで管理していたデータは「krewDashboard」を導入し、kintoneに集約。これまで1~2時間かかっていた会議資料作成が5分で完成するようになりました。このデジタルホワイトボードの導入により、社員が自主的にデータを見ながらコミュニケーションを取るようにもなったそうです!
「ユーザーファースト」で、現場の人が本当に使いたいアプリを作っていくこと。作って終わりではなく、出てきた要望に対して真摯に対応し続けることなど、なぜ使われるアプリになったのかが分かる発表内容でした。kintoneの活用を広げていく上で、どんどん発展していっているので、とても参考になる発表だなと思いました。
くるみ幼稚園 谷井さん
2番目は、くるみ幼稚園 谷井さんです。
タイトルは【「走る」時間を「向き合う」時間へ】
人の動きが中心となる幼稚園において、預かり保育のお迎え対応が大きな負担になっていたそうです。
お迎えに来た保護者が門でインターホンを鳴らす → 職員が事務所から門を開ける → 預かり保育の先生に電話する → 出ない時は走って伝えに行く。この業務が、多いときは1日120回もの対応が発生していたとのことで、想像するだけでも大変です。
また、職員は紙のタイムカードで勤怠を管理しており、毎月の料金計算に8時間もかかっていました。

これらの業務を改善するために、大阪産業大学と協力して、「園児台帳アプリ」や「登降園管理アプリ」「きょうだい出欠アプリ」などを開発し、現場改善を実施。
運用しながら改善していき、保護者の認証が完了したら自動で門を開錠し、合成音声で誰のお迎えが来たかを放送する仕組みまで構築されていました!
このシステムの導入で、引き渡し業務がトータルで50時間も削減され、先生がお子さんや保護者の方と余裕を持って向き合えるように。
さらに、担任の先生が直接コミュニケーションを取ることができるようになっただけでなく、放送を聞いたお子さんも、「自分のお迎えが来た!」と自主的に帰る準備を始めるようになるなど、業務改善に加えてお子さんの成長にもつながったそうです。
また、勤怠管理アプリの導入により、8時間かかっていた計算作業が10分になり業務負担を大幅に減らすことに成功しています。今後はバスの放送や紙のデジタル化も進めていきたいとのことです。
幼稚園での活用事例はこれまであまり見たことがないので、非常に面白かったし参考になりました。DXが目的ではなく手段としてしっかり使われていて、その結果コミュニケーションの時間が生まれて信頼関係の構築ができるようになった、というのがとても興味深かったです。
また、谷井さんがお子さんから教えられたこととして挙げていた「まず作ってみる・使ってみる・崩れたら組み替える・必要なら足す」というのが、まさにkintone!と思いました。
株式会社笹森産業 平山さん・佐々木さん
3番目は、株式会社笹森産業 平山さん・佐々木さんです。
タイトルは【記憶から記録へ 共有から活用へ】
優れた精密技術があるものの、情報管理が疎かになっており、会社の情報や技術については、ベテラン社員の「頭の中」にだけ情報がある状態でした。
さらに、若手の育成も「背中を見て覚えてね」というスタイルで教育が難しい状態だったため、「使われる仕組み」での情報管理を行う必要がありました。

そこで、まずはベテランの頭の中にある技術を記録することからスタート。
製品や工程ごとに動画を撮って、リンクで見られるようにkintoneへ集約。1年間で150本もの動画を作成したそうです。
特に初心者向けとして「図面の見方・用語」「機械の電源の入れ方」「測定器の使い方」といった基礎的な動画も作成。 指導を受けた後や、久しぶりに使用する機械・加工する製品がある際に「動画で再確認」するという習慣化を図り、だんだんと現場に見てもらえるように。
さらに、分かったことを実行に移す仕組みとして「チャレンジ記録表(アプリ)」を作成。これは、1年の大きな目標を設定し、それを達成するための「毎週のチャレンジ」をkintone上で記録・進捗管理していくものです。
当初は社員にとって面倒な作業でしたが、社長の想いを伝え、チャレンジ結果にポイントを付与してボーナスに上乗せする仕組みにしたところ、社員が自ら日々やったことをアピールしてくるように!
この取り組みにより、例えば、加工数アップのチャレンジでは、以前は1時間に16個だった加工数が「22個」に増加。 また、作業時間を短縮する目標では、当初88分ほどかかっていた加工作業が、1年後にはなんと平均36分ほどにまで短縮されるという素晴らしい成果を上げています。
全員への浸透はまだこれからとのことですが、これまでは「アプリを作ること」に集中していたため、今後は「使ってもらえる仕組み」作りに注力し、現場ですぐに見てもらえるようタブレットの導入を進めているそうです。
ここを見たら分かる!という案内や、システム化+制度化で浸透を進めていて、実際に効果が数値で表れつつある実践的な内容でした。また、2024年のhiveで、これだ!と思って導入を進めて、その後hiveに登壇しているのも、導入を検討している人の背中を押してくれそうだなと思いました!
アイシン・ソフトウェア株式会社 齊藤さん
休憩を挟んで4番目はアイシン・ソフトウェア株式会社 齊藤さんです。
タイトルは【失敗から学んだDXの本質とは?】
アイシン・ソフトウェアさんでは、データ管理の約8割以上がExcelで、そのうちの約3割でフィールド重複が発生していたため、せっかくのデータも「会社運営に活用不可」な状態だったそうです。
そのため、まずは市民開発(現場の人が自分でアプリを作ること)を目指して、kintoneを使ってみたい人に声掛けをし、110アカウントで導入しました。しかし、社員からは「時間がない」「イメージが湧かない」「プロセスが不明確」といった声が上がり、導入後1年間での市民開発者はなんと「0人」という失敗を経験しました。

そこで、「機能より優しさ」を重視し、アプローチをシステム導入から「人材育成」と「業務整理」へと大きく転換しました。
現場の人が課題を“ジブンごと化”して、全体最適の視点から業務プロセスを改革できるノウハウの共有を目指したのです。そのためには、いきなりアプリを作るのではなく、「DXとは?」「業務可視化とは?」「業務変革とは?」といった本質(なぜ?どうなるの?どのように?)を問い直し、まずはしっかりと「スタート位置に立つ!」ことから始めたそうです。
業務整理の推進グループを発足させ、モノと情報の流れ図(VSM)作成のガイドライン化を提案。レイヤー構造に整理してプロセスを網羅するとともに、情シス部門のプロが伴走支援を行い、ツール教育の企画・運営を手厚く実施しました。
採用から人事、総務・情シスへと至るプロセス管理のワークフローを整備し、「krewData」などのプラグインを活用して自動通知・自動連携を実現。これにより、人事情報から「社員証手配」「社服手配」「PC手配」などの各アプリへデータがスムーズに流れる仕組みを構築しました。
これらの結果、年間で385時間の作業時間を削減し、作業点数も半分以下(1/2)にするという定量・定性効果を生み出しました。現場の社員からは「毎月のエクセル地獄から救われた」「ありがとう」といった感謝の言葉が寄せられたそうです。
導入から1年後に、非IT部門からのアプリ作成者(市民開発者)が0名だったところから、現在は「8名」へと見事に成長しています!さらに、社内外で学びのコミュニティを開催したり、2ヶ月に1回の改革動画投稿を行ったりしながら、親会社も巻き込んで活動を進めているそうです。
弊社でもまず最初にお客さんへ案内する「業務整理」を徹底して行って成功している事例で、非常に共感する内容でした!
三杉株式会社 杉浦力さん・杉浦成さん
5番目は三杉株式会社 杉浦力さん・杉浦成さんです。
タイトルは【「kintone×EC」で実現。同じ人数で売上2倍、繁忙期の残業ゼロ】
これまでは、採寸から注文受付、注文入力、商品準備、現金集金に至るまで、注文に関わる全ての業務を手作業で行っていたそうです。しかも、繁忙期の3月10日から3月15日にかけて年商の1/3を売り上げるため、紙の伝票を車で本店へ運び、内容を整理し、データをまとめ、とやっていると、この時期は夜中の3時まで働くこともあったそうです。
さらに、幼稚園1500人の採寸なども全て手作業で行っており、毎年アルバイトを20名動員し、3~4週間の期間を要するなど負担が大きく、退職する社員も止まらないという深刻な状況を抱えていました。
そんな時に商店街の仲間から紹介されたのがkintoneだったそうです。

kintoneを導入して初めに行ったのが、誰の、何番目のお子さんで、どのサイズかといった情報を「1画面で確認」できる顧客・ご家族データベース(学生一覧アプリ)を作成し顧客情報を管理すること。まずは小さくアプリを作って徐々に大きくしていくことで、半年かけて定着させていったそうです。
さらに業務を大きく変革したのがECサイトとの連携です。ECサイトの来店予約ページから入力された家族情報や来店日時、そして注文詳細や採寸データなどが、すべて自動でkintoneへ取り込まれる仕組みを構築しました。プラグインを活用したkintoneの来店予約アプリ上で、スケジュール管理等もスムーズにできるようになっています。
これにより、これまで20名体制だった幼稚園の受注対応は、なんと2名(90%減)で回せるようになり、対応期間も3〜4週間から1週間へと大幅に短縮されています。 その結果、3月の繁忙期の残業がなくなり、「定時退社(残業ゼロ)」を実現しました。
システム化により、手入力のミスがなくなっただけでなく、同じ人員のままで売上2倍を達成したとのことです。さらに、ミスに対する心理的負荷が軽減され社員の心に余裕が生まれ、より良い接客を行うことができるように!
人手不足が叫ばれている現代で、人員を変えずに売り上げを伸ばしているというのが、非常に参考になる内容だなと思いました。ミスの軽減がより良い接客(サービス向上)につながるというのも魅力的な発表でしたね!
東邦ガスネットワーク株式会社 成川さん
ラストは、東邦ガスネットワーク株式会社 成川さんです。
タイトルは【現場を巻き込むDX ~紙の壁を打ち砕け!~】
大規模商業施設や超高層ビル、工場などのガス管点検を担当しており、全体で6,600物件(お客さま数30,000件)のうち、年間約1,700物件を40名体制で対応しているそうです。
これまでの点検業務は、紙の計画書を作成して現場に向かい、現場では結果を手書きでメモし、帰社してから報告書を作成して基幹システムへ登録するというものでした。そのため、情報の検索性が悪く、二重入力の手間や転記ミスのリスク、紛失リスク、保管場所の圧迫など、多くの「紙の壁」に阻まれていました。既存の基幹システムを現場仕様にしようと検討もしましたが、金額も高く、開発期間も長いうえに柔軟性も無かったため断念したそうです。

そこで、現場に合わせて作っていけるkintoneを活用し、点検業務自体のデジタル化を決意。
まずは関連レコードを活用して情報を集約し、画面推移なく1画面で情報を確認できる仕組みを構築しました。さらにアクション機能を利用し、ワンクリックで情報を自動連携させることで、ムダな入力を大きく削減しています。
しかし、導入当初は事務所と現場の環境の違いや、スクロールの手間などから現場から「不満の嵐」が起きたそうです。そこで現場の声を即座に反映し、以下のようなUI改善を行いました。
- タブ表示の導入
縦に羅列されていた項目を、基本情報や点検結果などの種類ごとにタブでスッキリ整理 - 条件分岐の活用
選択した内容によって表示項目が変化する条件分岐を設定し、必要な入力項目だけが表示されるように改善。
このように現場の不満に対する「即座の改善スピード」が信頼感を生み、社内の空気を一変させました。また、定着に向けた教育体制も見直したそうです。従来はITスタッフが点検員に直接教育していましたが、現場のリーダーを育成する「TTT(Train The Trainer)」方式に変更。現場の仲間から直接教えてもらうことで心理的安心感が生まれ、スムーズな定着につながったそうです。
業務のデジタル化に伴い、これまでオフィスを占拠していた大量のキャビネットも撤去されました。その跡地は、対話スペースや休憩スペースへと生まれ変わり、デスク周りもスッキリしました。現場から事務所に戻らずに作業が可能になったことで、フレキシブルな働き方も実現できたそうです。
業務の改善につながったという事例はよく聞いていましたが、働く環境が落ち着く空間に生まれ変わっているというのが、とても魅力的な事例だなと思いました。参考にしたいですね!
全体を通して
今回のkintone hive nagoyaは、「手元の業務効率化」だけに留まらず、「改善したその先にある効果や新たな価値」が結果として表れていた印象です。
削減できた時間を使って子供たちや保護者とのコミュニケーションを深めたり、スタッフの心に余裕が生まれてより良い接客につながったり、さらには働く環境そのものが快適に生まれ変わったり。どの企業様も、システム化の先にある「人との向き合い方」や「働く環境」へのポジティブな変化を実感されていました。
これは、私たちウィルビジョンが大切にしている価値観にもつながる内容だと感じています。
私たちは「単にシステムを導入して終わり」ではなく、その先にある「お客様の本来の目的を達成し、新たな価値を共に創り出していくこと」を大切にしているので、改めてこの価値観を軸にサポートをしていきたいと強く思いました!
各社様の活用の始め方、周りの巻き込み方、作成後の運用の仕方など、自社で活用する時はもちろん、今後の伴走支援やサービス向上にもしっかりと活かしていきたいと思います!



kintone hive 2026 東海・北陸地区代表者は…
くるみ幼稚園 谷井さんです!おめでとうございます!!

11月の幕張での決戦も楽しみですね。
登壇者のみなさん、お疲れさまでした!
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